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RAGTIME(ラグタイム)

〒215-0021
神奈川県川崎市
麻生区上麻生3-12-10

営業時間 11:30〜22:00
定休日:月曜・火曜

※ご予約は二日前までにお願いいたします。

TEL.044-954-0915

里山牛

ラグタイムでは、長きにわたってA5等級の黒毛和牛の雌を扱ってまいりましたが、考えるところがあって昨年の後半より、A5等級にはこだわらず、鹿児島県産黒毛和牛の「里山牛」に徐々にシフトし、最近になって完全にこちらに切り替えました。

一番の理由は「味の濃さ」です。
穀物肥育の一般的な黒毛和牛は、確かに甘さがあって柔らかいのですが、和牛本来の「味の濃さ」では「里山牛」に軍配が上がるように感じます。

「味の濃さ」の理由は、「経産牛のグラスフィニッシュ」にあります。
経産牛とは、出産を経験したことのある雌牛のことで、グラスフィニッシュとは、高齢の経産牛を耕作放棄地などで放牧して野草などを食べさせて仕上げることです。
「霜降り肉に比べて肉質が劣る」とされていた経産牛ですが、近年では、繁殖の役目を終えてから食用牛として再肥育することで、霜降り肉とはまた違う、旨味が凝縮された味わい深い赤身牛肉に仕上がるとして、注目を集めています。

これまで日本でA5等級を取るような良質な牛とされてきたのは、去勢した雄牛や未出産の雌牛などを穀物肥育で運動させずに肥育し、脂の乗った柔らかい肉でした。
一方肉食の先進国であるフランスでは、しっかりとした味わいと歯応えのある赤身肉が好まれることから、経産牛が昔から高く評価されてきたそうです。
さらに放牧することで筋繊維も発達するため味が濃くなりますし、そもそも「旨味」の素とされる「遊離アミノ酸」は脂肪部分ではなく、赤身の部分に含まれる物質なのです。

「里山牛」は適度に脂が乗って柔らかい黒毛の良さと、草食・放牧による濃い旨味を合わせ持つ秀逸な肉質だと確信しております。