RAGTIME ラグタイム

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カテゴリー:店主のつぶやき

2016.06.01

ガーリックライス

人気メニューの一つにガーリックライスがあります。これは、ステーキをご注文いただいたお客様ににしかチョイスいただけない商品です。なぜならステーキは富士山の溶岩で焼いておりますが、焼き色をつける

ためにフライパンも使用します。この時に、フライパンの底にこびりついた、強い旨味と和牛の香りのある焼き残りに白米を投入して作るためです。白ワインも少し加えて焼き残りをこそげ落しながら、白米を煽りながら焼いて行きます。(焼き脂はくどくなるので、投入前に捨てておきます。)ここに擂り下ろした

にんにく、塩胡椒を加え、最後に火を落としてから、バターと醤油を加えます。(こうすることで香りが

より引き立ちます。)器に盛った後、擂り胡麻と青葱をちらし、お新香を添えてお出ししております。

 

フランス料理などの洋食では『デグレッセ』と呼ばれる手法で、焼き残りに酒類(ワイン、ブランデー

など)、だし汁(フォンドヴォー、フィメドポワソンなど)、生クリームなどを投入してソースにしますし、日本料理で言えば鍋物の、しめの『おじや』に当たりましょうか。どちらも、焼いたり煮たりの工程

から発生する、栄養と旨味の詰まった焼き汁や煮汁を余すことなく味わえる合理的で素晴らしい手法です。

 

また、重要なのは『アリシン』という化合物の存在です。これは生のにんにくには存在しない物質で、擂り下ろしたり加熱されると生成され、威力を発揮するようです。強い抗菌、抗酸化作用があり、血液中の

コレステロールや血糖値の上昇を抑える働きがあります。また脂質、糖質、たんぱく質の代謝を促す

ビタミンB1(玄米に多く含まれますし、にんにく自身にも含有されます。)の吸収を助け、体内で長時間、持続・安定させる働きも持ちます。なので、ガーリックライスがステーキと、ある種のスパイスとして、

味の面で相性がいいのは言うまでもありませんが、栄養学的にも理にかなった食べ方ということができると思います。

 

今年の山椒の塩漬けが出来上がりました。

2016.05.01

タイムの花が満開です!

駐車場のタイムが、今丁度愛らしい花をたくさん咲かせています。


この場所に越して15年、はじめの4〜5年元気だった芝生がいつの間にか姿を消し、雑草が伸び放題に

なっていた駐車場ですが、3年前の4月にタイムを植えようと一念発起して、草取りから始めました。


タイムは一本一本はとても細いので、初めての冬は寒さを乗り切れるか心配でしたが、無事に根付いて、

3年目の今年はだいぶ広がりをみせ、水やり時には爽やかな香りを放ちます。


とても丈夫な植物なのでタイヤに踏まれても大丈夫ですので、安心してお入りいただいて、タイムの香りを楽しんでいただけたらと思います。

 

今はまだ周囲を縁取っている感じですが、そのうち駐車場一面をタイムが覆う日が来ますように、

草取りも励んでまいります。

2016.04.01

サラダ

今でこそ、和牛のステーキやローストビーフと並ぶ看板メニューともいえるラグタイムの『季節野菜のサラダ』ですが、かつてはごく一般的な、レタスにドレッシングをかけ、多少のトッピングをしただけのものでした。

 

これを劇的に変えたのは、ある方の『ドレッシングというのは、名前の通り纏わせてやらなくちゃ。かけるだけならソースだよね。』というお言葉でした。なるほどサラダというのは突き出しや、幕間つなぎなどではない立派な料理で、日本料理でいうところの『和え物』と同じ立ち位置という考え方です。奇しくも『ドレッシング』も『和え衣』も、洋の東西の違いこそあれ、表現としてはいづれも身に纏うものです。余談ですが、西洋料理のカツレツの語源であるコートレットの『コート』と日本料理の天ぷらの『衣』もやはり、高温の油から素材を守る衣服に見立てているのも面白いことです。

ラグタイムのサラダは、それから何年も試行錯誤を繰り返しながら現在のスタイルに至っていますが、まだ完成にはほど遠く、更に進化をさせていきたいと思っております。

 

素材にドレッシングを纏わせる時に非常に重要なことは、素材に付着した水分をしっかりと取り去ることです。こうすることで素材もドレッシングも味が薄まること無く、味がはっきりしますし、味の馴染みもよくなります。この時期ですと特にブロッコリーやスナップエンドウは要注意です。花蕾部分や莢の空洞部分には茹でて冷水にさらした際に、水分をたっぷり含んでいるからです。そのまま和えてしまえば、全体がびしょびしょになってしまい、素材もドレッシングも味が薄まってしまいます。『水っぽい』のと『みずみずしい』のとは圧倒的に違います。その『みずみずしい』野菜を召し上がっていただくために、現在ラグタイムではサラダに使用する野菜を50℃のお湯で洗っています。それは細胞内部に水分を取り込むのが目的で、洗った後は遠心力を利用した水切り器で外部に付着した水分を取り去ってから冷蔵庫で冷やし、ご予約の時間に合わせて、まず塩こしょうを馴染ませてからドレッシングで和えています。

その上で、その季節においしい野菜を素揚げしたり、漬け込んだり、蒸したり、焼いたりしたものをトッピングして、お出しするようにしています。

こうしてしっかりと野菜を召し上がっていただき、体が『今日は精進料理を食べに来た訳じゃないのになぁ』という状態で召し上がっていただくお肉が一番美味しいのではないかと考えております。

 

2016.03.01

日々淡々と

先月、縁あって滋賀の延暦寺にて坐禅を体験し、精進料理をいただいてきました。

 

野菜や豆類など植物性の食材を調理して食する精進料理は、アク抜きや水煮といった時間と手間の

かかる下処理を必要とすることが多いのが特徴のひとつで、これらの複雑な調理技術や使用する食材に

対する概念は、日本の料理分野全体に大きな影響を与え、水準向上に貢献してきたと言われています。

 

和食の基本「苦味・酸味・甘み・辛味・塩味」の五味に、素材本来の味を引き出す調理法「淡味」が

加わった精進料理では、仏教でいう中道の「淡」を尊ぶそうです。「淡」とは俗に言う「淡々と」のように極端に偏らない、真っ直ぐという意味だそうで、美味過ぎず飽きのこない味のため、今日まで

受け継がれて来たものと考えられます。

 

仏教の戒律に基づき、殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された精進料理の概念と、牛肉を扱う料理屋とでは目的が対照的のように思えますが、僧侶らが、食材に敬意をもち、食べる人の気持ちを

考え、手間と工夫を惜しまずに支度することが修行のひとつになると考えた料理の精神は、我々とも大いに

相通じるところがあり、日々の料理に生かしてまいりたいと思います。

 

初めての坐禅は、言わずもがな、雑念と煩悩だらけの自分と向き合う良い機会となりました。

2016.02.01

陰の功労者

ラグタイムの極上和牛は、A5ランクのサーロインをぐるむき(脂身と筋を取り払った状態)にして使っているので、いわゆる背脂が大量に発生します。肉の脂は、健康を考えると悪いイメージが強いですが、適量の動物性脂質は身体活動のエネルギー源となる重要な栄養素ですし、動物性脂肪の飽和脂肪酸は血管を丈夫に保つ栄養素として、脳卒中を防ぐ等の重要な役割も担っています。また、いわゆる背脂と呼ばれる良質なロース側の脂と、バラ側の脂では性質がまるで違っています。例えば、ロース側の脂は日々扱っておりますが、手についた脂は石けんを使わずとも、お湯で簡単に洗い流せます。一方、バラの脂はカルビ肉で考えるとわかりやすいのですが、甘みも強くしっかりしたボディーの味わいですが、食器にこびりついた脂は洗剤を駆使してもなかなか落ちません。これが体の中でどうなっているのかは推して知るべしです。

 

さてそのA5ランクの和牛のサーロインの背脂ですが、これが八面六臂の大活躍でして、挽いてハンバーグやロールキャベツの一部に使ったり、煮溶かして牛脂とし、玉葱のみじん切りを1時間炒めてから酒と醤油で調味して、ステーキやローストビーフのソースに。カレーやデミグラスのルーに。また、ステーキや野菜の焼き脂に。ローストビーフを焼く際の塗り脂に。野菜の素揚げに。とむしろ足りなくなることさえある程です。

ラグタイムの料理全般を陰で支えてくれている功労者のひとつなのです。

 

昨年の実山椒の塩漬けは、御好評のうちにすべてなくなりました。

今シーズンの塩漬けが出来上がるまで、今しばらくお待ち下さい。

2015.09.01

一枚の葉っぱ

店の入り口付近に一つの鉢植えががあります。

マザーリーフ、ハカラメ、ハッピーハッピー、グッドラックリーフなど、様々な呼び名がある

セイロンベンケイソウというその植物は、今は背丈が1mほどになりましたが、二年前は

一枚の葉っぱでした。

馴染みのお客様が、何枚か葉っぱを分けて下さり、その一枚から根が出て、芽が出て、ここ

まで成長したものです。

 

あの時なぜ、葉っぱを分けていただいたのかなあと、時々自分勝手に考えます。

珍しくて育て易いし、縁起の良い名前だったからなのかも知れません。

これからもきっとその理由はうかがわないと思いますが、葉っぱが一枚ずつ増え、背丈が伸び、

溢れた葉からまた新しい子株が成長する姿を見守ってきたこの二年の間に、あの葉っぱを

通して確実に「元気」のような何かを分けていただいたと感じています。

 

あの一枚の葉っぱのような、これまでお客様からいただいてきたたくさんのお言葉や

まなざしを、ラグタイムでのお食事や時間の中からも感じていただけるような仕事を

してまいりたいと思います。

 

2015.06.01

山椒仕事

桜の花が散る頃、山椒が新芽を吹き始めると、梅雨入り位までの間慌ただしくも

楽しい山椒仕事に追われます。

 

緑が濃く、まだ艶々している柔らかな新芽は、筍の牛脂焼きに添えたり、浅炊きや

木の芽味噌に用います。

 

雄花と雌花がはっきりしてくると、急いで雄花を摘みます。お料理やデザートの

あしらいにすると小さな花火のように可愛らしく、食むと爽やかな香が口いっぱいに

拡がります。

 

G.W.の頃(山の山椒は、ひと月後)、まだ柔らかい緑色の実(雌花)を摘み取ります。

小枝に分けるのはひと苦労ですが、初夏の訪れを感じるこの作業が大好きです。

ローストビーフやステーキの甘みをきりりと引き締める、実山椒の清々しい香と辛みを

閉じ込めて、いつでも味わえるように塩漬けに仕込みます。

 

秋に実が熟して、割れた皮をミルで粉山椒にするために、今年も枝に実を少し残して

おきました。

四季を通じて食に彩りを添えてくれる山椒と、先人達が伝えてくれた知恵に日々

感謝です。

ラグタイムのお食事の中にも少しずつお出ししていけるように、山椒仕事、コツコツ

励んでおります。

2015.05.01

『新もの』と『ひねもの』

新緑が美しい季節になりました。
新芽、新茶、新米等、日本人には人気の高い『新もの』ですが、一方『ひねもの』は貯蔵に長け、旨味や

栄養価の高い優れものであります。

 

『新もの』は含有水分量が高く、生食の際はフレッシュでみずみずしい反面、いたみも早く、成分の割合が低いので味も淡く、特に加熱すると嵩もへり、食べ応えもなくなってしまいます。8月下旬から春先まで、

ラグタイムで付け合わせでお出ししております、北海道「今金」の男爵芋などは、含有水分を減らすため

収穫後2~3ヶ月もの間、風をあててから出荷しているとのことです。また、新玉葱のオニオンスライスも

みずみずしくて辛くなく、いくらでも食べられる美味しさですが、玉葱の辛み成分は、切ると涙が出る硫化アリルという物質で、加熱するとオリゴ糖に変わり、えも言われぬ甘みを生み出します。このため、この

時期『新もの』が巷でセンセーショナルに取り上げられている裏で、市場等では料理屋が『ひねもの』を

確保するのに苦心しているのが実状です。

 

考えてみれば「塩を振る」「加熱する」「干す」などの調理工程は、食べ物から水の分子を取り除き、味を凝縮させて美味しくするという目的をはらんでおり、その意味からすれば、圧倒的に『ひねもの』に軍配が上がります。フランスの貴腐ワインやドイツのアイスワインも、ブドウの完熟後、樹の上でならしたまま

極限まで含有水分を減らし、果実味を凝縮させたうえで収穫し醸造されており、通じるものがあるように

思います。一方『新もの』のみずみずしさや季節感は、見逃せない素晴らしさです。こちらはボージョレ・ヌーヴォーといったところでしょうか。

 

多くの作物が『ひねもの』から『新もの』へと移行する季節。それぞれのよいところを引き出せる調理を

心がけてまいりたいと思います。

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