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RAGTIME(ラグタイム)

〒215-0021
神奈川県川崎市
麻生区上麻生3-12-10

営業時間 11:30〜22:00
定休日:月曜・火曜

※ご予約は二日前までにお願いいたします。

TEL.044-954-0915

『レストラン』の語源は、フランス語で『回復させる場所』だそうです。
18世紀のフランスの一般的な外食は、大皿盛りの料理を大テーブルに並べ、それを見ず知らずの客同士が取り分けながら食べるという衛生的とはいえない、ストレスを感じる形態であったようです。

当時パリでは急速な都市化によって、精神的にも肉体的にも体調を崩す人達が急増し、そうした人達のために栄養価が高く、消化にも良い、健康を増進させるような料理を中心に、衛生的な環境で提供され、さらに客ごとに個別のテーブルが用意されているような当時一般的ではなかった新しい業態が発生し、これを『レストラン』と呼んで旧来の外食業態と区別したそうです。 こうして種々のストレスをなくして料理を食べることが、いかに快適かということを人々が知ることになり、これが流行となって『レストラン』は体調を崩した人の外食の場としてだけではなく、一般の人々の娯楽・社交の場として広く普及していったようです。正に「当たり前」が覆った好例であり、約300年後にあたる現在の飲食店の原型と言えます。

豊かな食材や技術により生み出された、様々な美味しいものを迷うことなく食してきた私共は、概ね健康ではありますが、細かな体調の変化を感じる年代にさしかかり、28年間、常に食材と料理に向き合ってきた現在、その時の自分が元気になれるもの(体が求めている物)こそが一番美味しい、という考えに至っております。
自分が食したものから自身の身体はつくられる、という「当たり前」を再認識し、思い込み等を排除した上で様々な知見を活かして食材を選び、「脳ではなく、身体がよろこぶ物・美味しいと感じる物」を探し求めながらの料理を心がけております。

今現在行き着いておりますのは、化学調味料・添加物・小麦を一切使用せず、メインには肥育期間30ヶ月以上のA5・雌の黒毛和牛、厳選した季節を彩る野菜、食感の違いも楽しめる配合の炊き込みご飯(白米3:玄米1)、お味噌汁、糠漬け、白砂糖を極力使わず、愛らしく季節を感じるデザートで構成する「おまかせコース」(グルテンフリー)を、今はまだ一般的ではない完全予約制・完全貸切制にて提供させていただくということです。
(もしかしたら300年後には「当たり前」のビジネスモデルの原型になっているかもしれません!)

鎖国、戦争を経て、戦後は高度経済成長と共に欧米から様々な文化食を始めとした生活スタイル・ファッション・音楽・映画等が日本に入ってきました。
私共は、古き良き日本の文化とともにそれらを享受し、成長してきた世代です。落語や歌舞伎がスタイルを変化させながら伝統を守っているように、料理の世界に携わっている私共も、世界中の様々なエッセンスを採り入れながら、かつての天ぷら・牛鍋・ビフテキ等がそうだったように、既成の枠に囚われることなく、自由な発想で日本人のアイデンティティを尊び、日本固有の食文化の伝統を、スタイルを変化させながら次の世代に繫げる一役を担えればと考えております。